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イーサリアム(ETH)の税金はいくらから?利益・換金・ステーキング報酬の課税と計算方法【海外取引所も対象】

イーサリアム(ETH)の税金を国税庁のFAQとタックスアンサーで整理。課税されるタイミング(売却・換金・他の仮想通貨との交換・ステーキング報酬)、20万円ルール、税率早見表、総平均法での計算例、海外取引所の利益の扱いまで。

イーサリアム(ETH)を売って利益が出た、ETHを別の仮想通貨に交換した、ステーキングで報酬を受け取った。こうした取引で生じた利益は、日本に住んでいる人なら国内取引所でも海外取引所でも所得税の課税対象です。この記事では、国税庁の「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」(令和7年12月改訂)とタックスアンサーを出典に、イーサリアムに課税されるタイミング、いくらから申告が必要か、税率、計算方法を整理します。

結論を先に書くと、ETHは「売却して円にしたとき」だけでなく「他の仮想通貨と交換したとき」「商品の決済に使ったとき」「ステーキングやレンディングで受け取ったとき」にも所得が生じます。会社員は仮想通貨を含む給与以外の所得が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要で、税率は他の所得と合算した総合課税(住民税と合わせて約15〜55%)です。保有しているだけでは課税されません。

結論:イーサリアムの税金は「いつ課税されるか」「いくらから申告か」「税率」の3点で押さえる

  • 課税されるタイミングは、ETHの売却(円・外貨への換金)、他の仮想通貨との交換、商品やサービスの決済、ステーキング・レンディング・マイニングによる取得。保有しているだけ・取引所間の送金だけでは課税されない
  • 所得区分は原則「雑所得(その他雑所得)」。年間の収入金額が300万円を超え帳簿書類を保存している場合は原則「事業所得」(国税庁FAQ 2-2)
  • 給与を1か所から受けている会社員は、給与・退職所得以外の所得(ETHの利益を含む)の合計が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要(タックスアンサー No.1900)。20万円以下でも住民税の申告は必要
  • 税率は総合課税で、所得税5〜45%+住民税10%(+復興特別所得税)。利益が大きいほど税率が上がる
  • 取得価額は総平均法または移動平均法で計算し、届出をしない場合は総平均法(国税庁 A1-20)。海外取引所の取引も同じルールで日本円に換算して計算する
この記事の前提

日本の居住者(個人)が、投資としてETHを売買・保有する場合の所得税・住民税を扱います。法人、事業としての取引、非居住者、相続・贈与は扱いません。税額は所得全体や控除で変わるため、個別の申告内容は税理士または所轄の税務署にご確認ください。

イーサリアムに税金がかかるタイミング:売却・交換・決済・ステーキング報酬

ETHの取引と課税の有無(国税庁FAQ 令和7年12月改訂)
取引課税所得金額の考え方FAQの設問
ETHを売って日本円・外貨にするあり売却価額 − 譲渡原価(取得価額)− 手数料1-1
ETHで商品・サービスを購入するあり商品の価額(=ETHの譲渡価額)− 譲渡原価1-2
ETHを他の仮想通貨(BTC・USDTなど)と交換するあり交換で取得した仮想通貨の時価(=ETHの譲渡価額)− 譲渡原価1-3
ステーキング・レンディング・マイニングでETHを受け取るあり受け取った時点の時価を収入に計上し、要した費用は必要経費1-7
分裂(ハードフォーク)で新しい仮想通貨を取得する取得時点ではなし取得価額0円。売却・使用したときに課税1-6
ETHを保有し続ける(含み益)なし個人は期末時価評価の対象外—
自分のウォレットや別の取引所にETHを送金するなし所有者が変わらないため譲渡に当たらない(送金手数料として支払ったETHは譲渡)—

※ 出典:国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」令和7年12月最終改訂。USDT(ステーブルコイン)との交換も「他の暗号資産との交換」として課税されます。

他の仮想通貨との交換は「売ったのと同じ」

国税庁FAQ 1-3は、保有する暗号資産Aを他の暗号資産Bと交換した場合、「暗号資産Aで暗号資産Bを購入したことになる」として、商品を購入した場合(1-2)と同様に暗号資産Aの譲渡に係る所得を計算するとしています。ETHをBTCやUSDTに替えた時点で、ETHの取得価額と交換時の時価の差が所得になります。海外取引所でETH/USDTの取引を繰り返す場合、1回ごとに損益が確定するという意味です。

ステーキング報酬は「受け取った時点の時価」が収入

国税庁FAQ 1-7は、マイニング・ステーキング・レンディングなどにより暗号資産を取得した場合、取得した暗号資産の取得時点の価額(時価)を総収入金額に算入し、要した費用を必要経費に算入するとしています。ETHのステーキング報酬0.1 ETHを受け取ったときの価格が1 ETH=40万円なら、4万円が受取時の収入です。その0.1 ETHの取得価額は4万円になり、後に売却したときは売却価額と4万円の差が改めて所得になります。

イーサリアムの税金はいくらから?20万円ルールと住民税

所得税の確定申告が必要になる主なケース(国税庁 タックスアンサー No.1900)
立場確定申告が必要になる条件補足
会社員・公務員(給与1か所・年末調整済み)給与所得・退職所得以外の所得(ETHの利益を含む)の合計が年間20万円を超える20万円以下なら所得税の申告は不要。ただし住民税の申告は必要
給与2,000万円超の人金額に関係なく確定申告が必要20万円ルールは使えない
医療費控除・ふるさと納税などで確定申告をする人20万円以下の利益も含めて申告する20万円ルールは「申告をしない場合」の要件
給与のない人(個人事業主・学生・無職など)所得の合計が基礎控除などの所得控除の合計を超える場合20万円ルールは給与所得者向けの規定

※ 20万円は「利益(収入 − 譲渡原価 − 手数料などの必要経費)」で判定します。ETHの売却と、他の仮想通貨の損益、ステーキング報酬は同じ雑所得としてまとめて計算します。

住民税は20万円以下でも申告が必要

20万円ルールは所得税の確定申告の要件で、住民税にはありません。所得税の確定申告をしない場合、ETHの利益が20万円以下でも市区町村へ住民税の申告が必要です。確定申告をすれば住民税の申告は不要です。

イーサリアムの利益にかかる税率:総合課税の早見表

所得税の速算表(国税庁 タックスアンサー No.2260・令和8年4月1日現在)と住民税を合わせた目安
課税される所得金額所得税率控除額住民税10%を合わせた税率
1,000円〜194万9,000円5%0円約15%
195万円〜329万9,000円10%9万7,500円約20%
330万円〜694万9,000円20%42万7,500円約30%
695万円〜899万9,000円23%63万6,000円約33%
900万円〜1,799万9,000円33%153万6,000円約43%
1,800万円〜3,999万9,000円40%279万6,000円約50%
4,000万円以上45%479万6,000円約55%

※ ETHの利益(雑所得)は給与など他の所得と合算した「課税される所得金額」に対して税率が決まります。所得税額 = 課税される所得金額 × 税率 − 控除額。これに復興特別所得税(所得税額の2.1%・令和9年1月1日以後の所得は1.1%)が加わります。住民税の所得割は標準税率10%(都道府県4%+市区町村6%)です。

株式や投資信託の利益(申告分離課税・一律約20%)と違い、現行のETHの利益は総合課税で、給与と合算して税率が決まります。暗号資産の譲渡益に税率20%の申告分離課税を導入する所得税法等の改正は2026年3月31日に成立し、前提となる改正金融商品取引法も2026年7月15日に成立しましたが、適用は改正金商法の施行日の翌年1月1日以降(早ければ2028年1月1日)で、それまでは現行の総合課税が続きます。開始時期と対象は別のコラムで整理しています。

仮想通貨の分離課税はいつから?20%の開始時期と改正金商法 →

イーサリアムの所得の計算方法:総平均法・移動平均法と計算例

ETHの譲渡原価(売ったETHの取得価額)は、同じ年に取得したETHの価額を平均する「総平均法」か、取得の都度平均を更新する「移動平均法」のどちらかで計算します。評価方法の届出をしていない個人は総平均法です(国税庁 A1-20)。海外取引所の取引もすべて取引時の為替レートで日本円に換算し、国内取引所の取引と合わせて同じ種類の暗号資産ごとに計算します。

計算例:会社員がETHを売却した場合(総平均法・手数料は考慮しない)
日付取引計算
3月1 ETHを30万円で購入取得価額の合計30万円
6月1 ETHを36万円で購入取得価額の合計66万円・保有2 ETH・1 ETHあたり33万円(総平均)
9月1 ETHを45万円で売却所得 = 45万円 − 33万円 = 12万円
11月ステーキング報酬0.05 ETHを受取(時価1 ETH=40万円)所得 = 40万円 × 0.05 = 2万円(この0.05 ETHの取得価額は2万円)
年間の合計雑所得 12万円+2万円 = 14万円給与1か所の会社員なら20万円以下のため所得税の確定申告は不要・住民税の申告は必要

※ 総平均法では、その年に取得したETHの平均単価(この例では購入2 ETHの66万円と報酬0.05 ETHの2万円を合わせた平均)を厳密に用います。表は考え方を示す簡略例で、実際の計算は国税庁の「暗号資産の計算書(総平均法用)」に年間取引報告書・海外取引所の取引履歴を転記して行います。

損失が出た年は、同じ雑所得(他の仮想通貨の利益など)とは相殺できますが、給与所得や株式の利益とは損益通算できず、翌年への繰越もできません(国税庁 タックスアンサー No.2250・FAQ)。計算の手順と国税庁の計算書の使い方、損失の扱いは別のコラムで詳しく整理しています。

海外取引所の仮想通貨の確定申告のやり方(損益計算・計算書・納税方法) →

仮想通貨の損失は繰り越せる?損益通算のルール →

海外取引所(MEXC・BingXなど)でのETH取引も同じルール・2026年からCARFで情報交換

日本の居住者は全世界の所得が課税対象のため、MEXCやBingXなどの海外取引所でETHを売買・交換した利益も、国内取引所と同じく雑所得として申告が必要です。海外取引所は日本の「年間取引報告書」を発行しないため、取引履歴(CSV)を自分でダウンロードし、取引ごとの時価と為替レートで日本円に換算します。先物(USDT建ての無期限契約)の損益も、決済時のUSDTの増減を円換算して雑所得に含めます。

2026年1月からは、暗号資産等報告枠組み(CARF)に基づき、各国の取引所が非居住者の取引情報を税務当局へ報告し、国税庁が自動的に受け取る制度が始まっています。海外取引所の利益が国税庁に把握される仕組みと、無申告の場合の加算税は別のコラムで整理しています。

海外取引所の仮想通貨の利益はバレる?CARFと税務調査の実態 →

ETHの送金・保有で課税されない取引を混同しない

国内取引所から海外取引所へETHを送るだけ、ウォレットに移すだけでは所得は生じません(送金手数料として支払ったETHは譲渡になります)。一方で、海外取引所でETHをUSDTに替えた時点で所得が確定します。「円に戻していないから課税されない」は誤りです。

よくある質問

Q. イーサリアム(ETH)の税金はいくらから申告が必要ですか?

A. 給与を1か所から受けていて年末調整が済んでいる会社員は、ETHの利益を含む給与・退職所得以外の所得の合計が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要です(国税庁 タックスアンサー No.1900)。20万円以下でも住民税の申告は必要です。給与のない人は所得控除の合計を超える場合に申告が必要です。

Q. イーサリアムを持っているだけでも税金はかかりますか?

A. かかりません。個人の場合、保有しているETHの含み益(値上がり)は課税対象ではなく、売却・交換・決済・報酬の受取など所得が実現した時点で課税されます。

Q. イーサリアムを他の仮想通貨やUSDTに交換したときも課税されますか?

A. はい。国税庁FAQ 1-3では、保有する暗号資産を他の暗号資産と交換した場合は、その暗号資産で他の暗号資産を購入したことになるとして、譲渡に係る所得を計算するとしています。ETHをUSDTやBTCに替えた時点で、ETHの取得価額と交換時の時価の差が所得になります。

Q. イーサリアムのステーキング報酬にはどう課税されますか?

A. 国税庁FAQ 1-7では、ステーキング・レンディング・マイニングなどで暗号資産を取得した場合、取得時点の時価を総収入金額に算入し、要した費用は必要経費になるとしています。受け取ったETHをあとで売却したときは、受取時の時価を取得価額として改めて所得を計算します。

Q. イーサリアムの利益の税率は何%ですか?

A. 現行は総合課税で、給与など他の所得と合算した課税所得に応じて所得税5〜45%(国税庁 タックスアンサー No.2260)+住民税10%+復興特別所得税がかかります。合わせて約15〜55%です。暗号資産の譲渡益に20%の申告分離課税を導入する法改正は成立済みですが、適用は改正金融商品取引法の施行日の翌年1月1日以降(早ければ2028年1月1日)で、それまでは総合課税です。

Q. 海外取引所(MEXC・BingXなど)で取引したイーサリアムの利益も申告が必要ですか?

A. はい。日本の居住者は全世界の所得が課税対象で、海外取引所の利益も国内取引所と同じく雑所得として申告します。年間取引報告書が発行されないため、取引履歴を自分でダウンロードして日本円に換算します。2026年からはCARFにより海外取引所の情報が国税庁へ自動的に交換されます。

Q. イーサリアムの損失は給与や株の利益と相殺できますか?

A. できません。ETHの損失は同じ雑所得(他の仮想通貨の利益など)とは相殺できますが、給与所得や株式の譲渡益とは損益通算できず、翌年への繰越もできません(国税庁 タックスアンサー No.2250)。

出典・確認先

本記事の根拠と最新情報の確認先本コラムは2026年10月8日時点で、上記の公式一次情報と当サイトの掲載データを確認して編集しています。法令・制度・各社の提供内容は変更される場合があるため、判断の前に各公式情報で最終確認してください。
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